長期投資は「時間を味方につける」ってどういうこと?将来のためにゆっくり育てるお金の増やし方
投資は怖い?いいえ、時間を味方につける長期投資なら安心です
「将来のためにお金を増やしたいけれど、投資ってなんだか怖い」「損をしてしまうのではないか」「専門知識が必要そうで、私には難しい」そう感じている方も多いのではないでしょうか。
確かに、テレビやニュースで株価の変動を見たり、儲け話のような情報に触れたりすると、不安に感じるかもしれません。しかし、実は私たちの暮らしに寄り添う「長期投資」という方法なら、時間を味方につけることで、誰でも無理なく、堅実にお金を育てていくことができるのです。
この記事では、「長期投資で時間を味方につける」とはどういうことなのか、そしてなぜそれが私たちにとって安心できる方法なのかを、投資が初めての方にも分かりやすくご説明します。
長期投資とは?「時間を味方につける」ってどういうこと?
長期投資とは、文字通り「長い期間をかけてお金を育てる」投資の方法です。まるで、小さな種を植えて、じっくり時間をかけて大きな木に育てていくようなイメージです。
短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、数年、数十年といった長い目で見て、資産を少しずつ、着実に増やしていくことを目指します。
では、「時間を味方につける」とは具体的にどういうことなのでしょうか。そのカギとなるのが「複利(ふくり)」という考え方です。
雪だるま式にお金が増えていく「複利」の力
複利とは、投資で得た利益を、さらに次の投資に回すことで、利益が利益を生み、雪だるま式にお金が増えていく仕組みのことです。
たとえば、100万円を預けて1年後に5万円の利息がついたとします。単利の場合は、その5万円は別にして、次の年もまた100万円に対して利息がつきます。しかし複利の場合、増えた5万円も合わせて105万円を元手として次の投資に回すため、その次の年には105万円に対して利息がつくことになります。
最初は少しずつの増え方に見えても、時間が経つにつれて増えるスピードが加速していくのが複利のすごいところです。
私たちは日々の生活で忙しい中で、常に投資の状況をチェックしたり、難しい判断をしたりするのは大変ですよね。長期投資は、この複利の力を借りて、私たちが普段通り生活している間にも、お金が少しずつ、そして着実に成長していくことを目指します。
なぜ「時間」が味方になるの?長期投資の3つの考え方
長期投資が「時間を味方につける」といわれるのには、具体的に3つの大切な考え方があります。これらを意識することで、投資の怖いイメージをなくし、安心してお金を育てていくことができます。
1. 「長期」で価格の変動を吸収する
投資の世界では、株価や投資信託の値段は日々変動します。上がったり下がったりを繰り返すのが自然なことです。短期的に見ると大きく下がって不安になることもあるかもしれません。
しかし、長い期間で見ると、一時的な値下がりは平均化され、全体としては成長していく傾向があります。コップの中の水位が波で上下しても、時間が経てば平均的な水位が分かるのと同じです。
時間をかけることで、一時的な値動きに惑わされず、着実に資産を増やすチャンスを待つことができるのです。
2. 「分散」してリスクを抑える
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。これは、一つのものだけに集中して投資するのではなく、いくつか異なるものに分けて投資することで、リスクを減らすという考え方です。
たとえば、Aという会社の株だけを買うのではなく、日本の色々な会社の株や、海外の会社の株、さらには不動産など、種類を分散して投資するイメージです。もしどれか一つがうまくいかなくても、他のものが補ってくれる可能性があります。
長期投資では、この「分散」を広い範囲で行うことで、よりリスクを抑えながら安定した成長を目指します。
3. 「積立」で無理なく続ける
「積立投資」とは、毎月決まった日に、決まった金額をコツコツと投資していく方法です。まるで、毎月貯金をするように、自動でお金が積み立てられていきます。
この「積立」には、「ドルコスト平均法(ドルコストへいきんほう)」という素晴らしいメリットがあります。これは、価格が高い時には買う量を少なく、価格が安い時には買う量を多く買うことになるので、結果的に平均購入価格を抑える効果が期待できるというものです。
これにより、価格の変動に頭を悩ませることなく、感情に左右されずに淡々と投資を続けることができます。毎月少額から始められるので、家計に無理なく続けやすいのも大きな魅力です。
初心者でも安心!少額から始められる「つみたてNISA」
「それでも、実際に始めるのは難しそう…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。国が私たち個人の資産形成を応援するために作った、とても始めやすい制度があります。それが「つみたてNISA(ニーサ)」です。
つみたてNISAは、特に投資の経験がない方や、少額から始めたい方向けに作られた、とても優しい制度です。
- 投資で得た利益が非課税: 通常、投資で得た利益には税金がかかりますが、つみたてNISAの枠内で運用すれば、その税金がかかりません。つまり、頑張って増やしたお金をまるごと受け取れるということです。
- 少額から始められる: 金融機関によっては、月100円といった少額から積立投資を始めることができます。これなら、お財布に無理なく、気軽にスタートできますね。
- 長期・積立・分散が前提: つみたてNISAで選べる商品は、長期・積立・分散に適したものが国によって厳選されています。つまり、私たちが難しい知識を持っていなくても、安心できる方法で投資を始められるよう設計されているのです。
- 手続きも簡単: 証券会社の口座開設や、つみたてNISAの設定は、今やインターネットやスマートフォンから簡単に手続きできるようになっています。PC操作が苦手な方でも、スマホアプリなどを利用すれば、説明に沿って進めるだけで、スムーズに開設できるところも増えています。
もし月1万円を20年間積立たら?
具体的な運用シミュレーションをお見せすることはできませんが、もし毎月1万円を20年間(合計240万円)積立投資した場合を考えてみましょう。もし毎年平均して数%の成長があったとしたら、元本である240万円よりも、もっと大きなお金に育っている可能性があります。
これは、先ほどお話した「複利」と「時間の力」が働いているからこそ得られる、長期投資の恩恵です。
最後に:不安を手放し、ゆっくりお金を育ててみませんか?
「投資は怖い」「難しい」という気持ちから、なかなか最初の一歩が踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、長期投資は、時間をかけてゆっくりとお金を育てる、私たちにとってとても心強い味方です。
日々の忙しい生活の中で、常に投資に目を光らせる必要はありません。毎月少額を積み立てて、時間の力を信じて待つことで、将来のために着実に資産を増やすことが期待できます。
このサイトが、あなたの投資への不安を少しでも和らげ、安心して最初の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。まずは、ご自身の家計に無理のない範囲で、月々いくらから始められるか、考えてみませんか?